もりや小児科医院Moriya Pediatric Clinic

コンビニ受診の原因は?!


世間一般では救急外来の安易な受診は患者側にあると指摘されております。

でも、本当にそうでしょうか?

「JAとりで総合医療センター」にここ2年ほど月1回土曜の夜に月1でお手伝いしております。来院患者さんの印象は下記のように感じ ております。

20(10)%:かかりつけ医の無責任さによるもの
(検査投薬後の治らない場合のフォローがなかったり、紹介すべき患者さんをそのまま様子見扱いに)
30%:かかりつけ医の病気に対する啓発不足 <- 小児科開業医も含まれる。
(子どもが熱をだすのも、風邪をひいて咳がでるのも当たり前との指導がない。症状がでれば薬が必要だと刷り込まれている)
20%:迅速検査の間違った認識による受診
30(10)%:親の怠慢による時間外受診
10%:真に救急を受診するべき、あるいは受診しても仕方がない患者

※総計110%になるのは 「かかりつけ医の無責任さ&親の怠慢による時間外受診」が重なる。

小児救急の破綻は一方的に患者さんサイドが原因だとされておりますが私には半分以上は医療機関側、主に
昼間に小児をみている医療機関側の責任だと思っております。


似たような小児科医の意見を見つけました。
http://katmat.jimdo.com/コンビニ受診について考える/ へのリンク


ある医学雑誌に書いた一文をアップしておきます。

安易な受診・頻回な受診
最近では子育て支援として子どもの医療費一部負担金の補助を行う自治体が増えて無料や、それに近い金額で医療機関を受診することができる。救急外来への安易な受診も多く、また時間外や休日に診療をしている小児科標榜クリニックも増え、夜間や日曜でも気軽に受診できる社会インフラも整ってきた。それに加えて
多くの医療機関が行っている過剰な検査や投薬が保護者たちをより頻回な受診(需要の喚起)に駆り立てているのかも知れない。